徐々に涼気も増し、街角で見かける花々に秋を感じる時節となりました。

前回の記事を投稿した当時は感染者数の爆増と自宅療養の報道により、毎日「彼岸法要に参列を呼び掛けて良いものか、四度目の無観客にお怒りになる方もおられるかもしれない」と胃がでんぐり返りそうな思いでおりました。昨今は随分数字が落ち着いてきましたが、落ち着いたが故に無観客法要の決断が妥当であったか迷いも生じております。

日本全国様々な場面で、迷ったり悩んだりされている方も多いかと拝察いたします。決断後に後悔されたり、「これで良かったのだろうか」というお気持ちの方もおられるでしょう。ですが、人は時に誤るものです。人間は仏様のように全てを見通すことができません。あまりにご自身を追い詰めてしまわれると、日々を生きる元気もなくなってしまいます。どうぞご自愛ください。

さて、久方ぶりに明るいニュースをお届けさせていただきます。

本年3月の投稿「祖母の遺筆」にて、「ボロボロになった祖母遺筆を修繕していただく見込みが立った」とお知らせいたしましたが、先日完成品をお届けいただきました。おなじみの番組のBGMをご想起いただければよりお楽しみいただけるかと存じます。

【ビフォー】

永年修繕の手段も思いつかず、どうすればよいか途方に暮れていた祖母の遺筆。

株式会社イシダ様の数か月に渡るご尽力により…

 

 

 

 

 

 

【アフター】

かつての姿を取り戻しました。

触れるだけで崩れてしまう紙にダメージを与えることなく、撮影した写真の画像を加工することで、破れてゆがんでしまった部分も新品同様に。

屋外で日光に晒されることを考え、看板などに使われる強靭な紙に印刷されています。

元の紙をはがすことなく、新たな板を立て掛けることで祖母の遺筆の元本も護られることになりました。

株式会社イシダ様とは全く偶然の出会いでありました。長年どうしようもなかった掲示板について悩んでいたところ、営業廻りで訪問された担当者様とたまたま行き合いました。不思議なご縁もあるものです。

 

さらにもう一点。

 

 

こちらはご葬儀の際にお読み上げをする引導の文です。

数十年の使用により、各所にシミや手垢汚れ、折ジワの目立っていた元本が、こちらも新品同様に生まれ変わりました。

「できれば和紙に墨で書いたような風合いにしていただきたい」とワガママを申し上げましたが、様々なインクをお試しくださったためか、とても印刷したとは思えないような仕上がりです。

祖母が若返ったかのような不思議な感動が生まれました。本年祖母は十三回忌を迎えます。何よりの供養となりました。

株式会社イシダ様の技術とご研鑽、何度も仕上がりの打ち合わせに足をお運びくださり、調整を重ねてくださったことに心より御礼申し上げます。

また、この経験を通じて「日本にはまだまだ私の知らない技術が沢山あるのだろう」と思いを致しました。産業用機械や半導体素材など世界的に有名なものもあれば、身近なところに隠れている技術もあるのだと思います。

現在、まだまだ多くの業種の方々が、この災禍により苦しんでおられます。人を遠くまで予定通りに運ぶ交通業、接客やおもてなしに長けた観光・旅行・接客業、人と人の縁を繋ぐ飲食業、皆の心を盛り上げ支える文化芸術・イベント・冠婚葬祭業、そしてそれにまつわる周縁関連業の方々が培った技術は想像に余るご研鑽の上に成り立っていると拝察いたします。一日でも早く、全ての方々が本来の力を存分に発揮される状況になりますよう、心よりご祈念申し上げます。

如来大慈悲 哀愍護念 南無阿弥陀仏