天高く馬も肥え、早くもクリスマス商戦の時期となりました。冗談めかしたご挨拶ができるのも、状況が落ち着いてきたが故と皆様に感謝しております。

ウィンドウショッピングができるようになったおかげで、このような可愛らしいアクセサリーを見つけることができました。お寺のブログにキリスト教?と思われる方もおられるかもしれませんが、浄土宗は他の宗教や宗派を否定は致しません。様々なモチーフや記念日があり、豊かな文化の源となっているのがキリスト教の優れたところだなと感じます。

一方、浄土宗のご本尊「阿弥陀様」が造られた国、「極楽浄土」にも美点が多々ございます。「阿弥陀経」というお経の中には、

「(極楽浄土の)世界の人々は毎朝早く、一人一人が花カゴにたくさんの素敵な花を盛り、十万億にも及ぶ様々な御仏方の世界に赴いては、それを捧げて各々の仏を供養する(※1)」

という一節がございます。極楽浄土にはあらゆる苦しみがないとされているので、当然「宗教が違うからといって会いたい人に会えない苦しみ」もないわけです。極楽浄土は悩みも苦しみもない良い所ですが、永久に閉じ込められてしまうわけではありません。

昨今はグローバル化が進んでおりますので、違う宗教の友人をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。宗派によっては他の宗教を否定する教えもありますが、阿弥陀様は他の神仏を尊重する仏様です。家族で宗教が違うことを悩んでいる方々に対して、阿弥陀様は「心の赴くままに他の神仏の国へもお出かけください。いつ帰ってきても良いようにお待ちしていますよ」と声をかけてくださるものと拝察いたします。

そしてまた、日本には「ご利益のありそうなもののいいとこ取りをする」というチャッカリした美点があります。七福神巡りなどもそうですが、元は違う宗教や文化に由来するものをまとめて丸呑みできてしまうわけです。初詣からクリスマス、除夜の鐘など様々な年中行事を自然に楽しむ私たち衆生を、阿弥陀様は優しく見守ってくださいます。

皆様が年越しに向け、安心して良い日々をお過ごしになれますよう、ご祈念申し上げます。

如来大慈悲 哀愍護念 南無阿弥陀仏

(※1)「其国衆生 常以清旦 各以衣裓 盛衆妙華 供養他方 十萬億佛」