聖号十念

4月を迎え、境内の枝垂桜が花盛りの姿を見せてくれました。曇天ですが逆に桜の色味が映えているようにも感じられます。

ついこの間まで卒業入学ラッシュでしたが、私自身も「東京教区 浄土宗青年会」を齢44歳にして卒業することとなりました。法然上人が浄土宗を開かれたのが43歳の時だったので、一つの区切りとして扱われています。世間では中堅の世代ですが、僧侶には定年がないので、44歳でもまだまだ文字通り「若僧」です。

当ブログでは2017年頃の記事にてご紹介させていただいておりますが、青年会の活動は多岐にわたっております。仏教で大切にされている「自利利他」を旨とし、自分の為になる修行や研修だけでなく、災害救援や募金、寄付など社会の為になる活動を通じ、学びや懇親を深めて参りました。この2年程はほとんどがオンラインになってしまいましたが、卒業が間近になるにつれ、仲間とのご縁が薄らいでしまうことに寂しさを感じておりました。

ところが、捨てる仏あれば拾う仏あり。同期で役員を務めたご縁から、東京教区「教宣師会」の会長職のお話をいただきました。「教宣師会」とは、2年間の研修により、教宣師として認定を受けた卒業生で構成される会で、青年会のような定年がなく、会員が幅広い年齢や経歴で構成されているのが特徴です。会長と名の付く仕事は経験がなく不安もありましたが、せっかくご指名を頂いた気持ちに応えたくお引き受けさせていただくことにしました。

私が教宣師の資格を取ったのが13年程前になりますので、改めて学び直しをするのが楽しみです。このご時世、タダで勉強ができるとは何ともありがたいことです。第一回の講師が私と同年齢の仲間であることに世代交代を感じます。私には子供がいませんが、その分講義内容などのアイデアを出すことで次世代の成長に貢献できればと思います。

今の若い人たちは私たちの世代に比べ、礼儀正しい印象が強いのですが、みんな竈門炭次郎みたいなのでしょうか。感染状況が好転を続け、実際にお話できる日が一日も早く訪れますよう心より祈念いたしております。皆様方にも良いご縁、素敵な出会いが訪れますよう、同じくお祈りいたします。合掌

如来大慈悲 哀愍護念 南無阿弥陀仏