平成31年4月14日、港区三田「西應寺(さいおうじ)」境内におきまして、芝仏教会主催の「花まつり」が開催されました。

「花まつり」とはお釈迦様の誕生日をお祝いする行事のことで、芝近辺の様々な宗派の寺院が協力し、ご法要をお勤めしております。

お寺でお勤めする回忌法要と異なり、子供の成長を願う行事でもありますので、お稚児さんのお練り行列があるのが大きな特徴です。

例年は、境内でお参りの方々に甘茶をお配りしたり、ご案内をさせて頂いているのですが、本年は「震災時の炊き出し訓練」を兼ね、お稚児さんやご家族にカレーを作る係を承りました。

拙いながらチラシを作るお役もいただきました。「みほとけちゃん」は、「仏教が大好きなタレント」さんで、レシピを教えてくださった方です。浄土宗城南組青年会の会員だけでなく、「みほとけちゃん」、仏教関連団体のスタッフの方々、寿司職人さんがボランティアに集まってくださいました。

全員の集合を待ちつつ、

器に子供たちへのメッセージや絵を描いていきます。

90人前のカレーを作るのはなかなかの大仕事でしたが、港区三田の「SUSHI KISARAGI(スシキサラギ)」様のご指導を頂いて、

皆で皮むきをし、

作業を進めていきます。

具材を炒めて、昆布だしと白だしで味を調え、けんちん汁ができたところにカレールーを投入。焦げないように2時間ほど弱火でじっくり煮込み、

カレーに添えるパンをトーストしていきます。トースターだけだと間に合わないことに気づき、フライパン2枚も出動しました。

こうして大鍋二つ分のカレーが完成しました。

おかげさまで余ることもなく、全てお配りすることができました。笑顔でほおばる子供さんたちを拝見し、疲れが抜けていく心持ちがいたしました。

仏教では、修行をする仲間に食事をお配りすることを「行益(ぎょうやく)」と申します。今回は多くの方々のご協力のおかげでカレーを作ることができました。若手からベテランまで、皆で力を合わせて料理を作るのは学生以来のことで、楽しい時間を過ごせました。調理に人手を割いた分、他のお役目を引き受けてくださった方々、貴重な一日を割いてくださった皆様に感謝しております。

また、今回の材料は「大根、人参、ごぼう、こんにゃく、油揚げ、だし、カレールー、油、水、パン」でしたが、一つ一つの素材をとっても、「どなたかのおかげ」であることをしみじみ感じる機会となりました。調理器具や燃料も、今ある形でここにあるのは、職人さんや工場、商社、流通の方々のお力によるものです。その背後には、生活を支える基盤となるお仕事の方々や、家事を引き受けるご家族がおられます。今回私が調理を担当させていただいたのも、(多少の失敗はあっても)毎食食べてくれ、経験を積ませてくれた家族のおかげだと思います。

炊き出し本番の環境ではきっと様々なものが不足していることでしょう。「有難い」=「ありがたい」という言葉を深く感じる一日となりました。

合掌