6月21日(水)、宇都宮東武ホテルグランデにて、第44回関東ブロック浄土宗青年会総会並びに研修会が行われました。
総会においては、恙なくすべての議事が承認されました。
研修会は3講より成り、3名の講師の方々に貴重なご講義を賜りました。

第1講では、丸山隆先生より「悩める人々(衆生)に寄り添う-カウンセリングの視点から-」をテーマに、軽妙な語り口でご講義頂きました。
長年にわたるカウンセリングのご経験を礎に、人の心に寄り添うためには、まずお話下さっている相手の表情など視覚情報をしっかりと
受け止め、相手に共感した上で、より伝わりやすい表現の仕方を工夫することが必要である、とお話頂きました。
高校でも教鞭をとられていた丸山先生が所々に散りばめられたお芝居仕立てのエピソードに、会場のそこかしこより笑いが沸き起こっておりました。

第2講では、杉本哲也先生より「信頼関係を構築する伝え方と相手を理解する方法」をテーマにお話頂きました。
議員秘書というご経験から齎された数々の分析データをお示し頂き、話者と聴者が価値観や情報を共有することで
構築される信頼関係の肝要さについて明確なヒントを賜りました。
また、無縁社会と言われる昨今において、寺院に求められる役割や、「御仏縁」をどのようにお伝えするべきかについても
深い示唆を頂きました。

第3講では、樋口法生先生より、「東日本大震災の経験から宗侶としてできること」についてお話いただきました。
震災を経験された講師のお話にはいつも計り知れない重みを感じます。
また、アンケートの集計結果を基に、通夜葬儀・回忌法要などで法話をする僧侶が半分程度しかいない現状を
是非改善して頂きたいと強く訴えかけられていたのが印象深く感じられました。

法話とは、僧侶本人の信仰や理解の深さ、想像力、表現力など、全てが表れる場ですので、
まだ未熟な私は毎回身震いするような心持をもって練習をしておりますが、今後も研鑽を重ね、
阿弥陀様のみ光をより深くお届けできるような法話ができるようになりたいと改めて志しました。

今回のご講義を通じ、「僧侶とは、己の届けたい話をする前に、まず皆様のお気持ちをきちんと受け止め、
相手のお気持ちに寄り添ったのちに、『法』という真理を相手の受け止めやすい形で
お伝えしていくべきである」ということを学ぶことができました。
貴重な研修の機会を頂きましたことを、檀信徒はじめ皆様方に心より感謝致します。

合掌