皆様こんにちは。副住職の石井綾月です。

今回は、「浄土宗東京教区青年会の一年」と題しまして、浄土宗の青年僧の活動についてお話をさせて頂きます。浄土宗東京教区青年会は略して東京浄青と称し、「研修・教化(自分だけの修行でなく、檀信徒の方や後輩を教え導くこと)・親睦」を三本柱に、昨今は救援(募金やボランティア活動等)に注力しつつ活動しております。浄土宗開宗800年を機に組織されて以来40年以上の歴史を持ち、東京都内所在の430程度の寺院の僧侶のうち、43歳までの比較的若手の会員200余名に参加を頂いております。

43歳というと、一般の企業では中堅と言われる立場ではございますが、宗祖法然上人が浄土宗を開宗された御歳が43歳だったことから、43歳で青年会卒業と定められております。僧侶は一生を修行として生きる為、一般的な定年退職がなく、大ベテランの方々と比べれば39歳の私はまだまだ青い、というのもまた事実でございます。

東京教区は、さらに細分化すると10の組に分かれ、当山は「城南組」に所属しております。
各組より「常任委員」が選出され、組の代表として各組会長と連携の上、2年間を一期として様々な活動を企画・開催するのですが、昨年4月、僭越ながら私が第22期城南組常任委員を拝命致しました。
以来1年、様々な行事を通じて学ぶ機会を多く頂戴しましたので、年度替わりの機をもちましてご報告をさせて頂きます。

平成28年4月14日、熊本震災の発生により、期代わり初めの行事は「熊本震災緊急街頭募金」でした。托鉢僧の衣帯を身に着け、大本山増上寺三門前、大門駅前、浜松町駅前におきまして、7月までに合計三回の街頭募金活動を行いました。お預かりしたご浄財は、熊本被災自治体口座、熊本教区災害救援基金口座へお送りさせて頂きました。

20160427募金

5月5日には、増上寺にて行われた多宗派共催寺社フェス「向源」の写経会スタッフとしてお手伝いに伺いました。仏教関係以外にも、様々な分野のワークショップが開かれ、一般参加者の皆様でにぎわっておりました。普段お寺に足を踏み入れることの少ない、年若い方々に仏教に触れて頂く貴重な機会となりました。

20160505向源

5月26日にはチャリティーフットサル大会が開催され、参加費の一部は後述の『いのちの募金』へ編入されました。女性の体力で男性に交じっての競技はなかなか辛いものがありましたが、周囲の方々のお気遣いにより、怪我もなく皆様と交流を深めることができました。翌日は大変な筋肉痛に見舞われ、日ごろの鍛錬の大切さを悟ったものでございます。

6月4日には、増上寺にて毎年恒例の第46回「写佛会」を行いました。各寺院檀信徒の方々や、成人大学所属の方々がお集まりになり、東京教区北部組・嶋田之雄上人のご法話を頂戴した後、静かな心で佛様のお姿を写しておられました。

20160604写佛

6月13日には、「ユニセフ・JVC説明会」と題し、東京浄青が檀信徒の皆様に募っている『いのちの募金』の送付先である日本ユニセフ協会、並びに日本ボランティアセンターの方より、ブータンの僧院の現状や、カンボジアの農村への支援についてのお話を伺いました。ブータンでは未だ水利が十分でない為、僧院で暮らす身寄りのない子供たちの衛生状態に未だ問題が残っているそうです。また、カンボジアでは戦火の収まりに伴い、戦災孤児支援事業は一段落したものの、資本の偏りにより、農業収入のために環境を犠牲にせざるを得ない村も見られるそうです。引き続き支援の為尽力しようと皆で誓い合いました。

20160613ユニセフ

(その2へ続く)